うんこ置き場

房ノート有料化に伴い汚物、垂れ流します

キラキラの大型新星

突然店長が前置きもなく新しい店員を連れてきた。
「山田くぅんちょっと、新しい人紹介するから」
休憩室から携帯をいじりながら出てきた女は俺の方にチラッと目をやる。
「よろしくっす。」
女はそれだけ言うと俺を気にするでもなく携帯に目を戻す。長いネイルチップがコツコツと小刻みにスマホの画面を叩く。
「よ、よろしく...」
そのド派手な風貌に圧巻されて俺は思わずその場に立ちすくんでしまった。
ゴールドホワイトのボブにネオンパープルのインナーカラー。まつ毛は蝶のように長く、ぷっくりとした唇には鮮やかなライトピンクが濡れていた。
「まぁね、分からないことがあったら後は山田君に聞いて」
店長は鼻の下を伸ばしながらギュフフといったような下心丸出しの笑い方で笑った
「おけっすー」女は相変わらず気のない返事だ 
「じゃあ二人ともよろしく、僕は帰るから」
何がそんなに可笑しいというのか。
女はラメが敷き詰められた小さい鏡を置くとピンクのキャップをとってマスカラをまつ毛に当てた。女の周囲には嗅いだことのないような安い香水の匂いが漂っている。無機質なコンビニには釣り合わない彼女の雰囲気に度肝を抜かれていた
「パイセンは何ていうんすか?」
女は指で瞼を押し上げ、マスカラをまつ毛に押し当てる。
「へ?」
俺は突然話しかけられて脳味噌が追いつかない。
「名前何て言うんすか?」
「え?あぁ…山田太郎。」
「ふーん。じゃあ山田パイセンっすね。あーしは寧音っす。ねおでいいっすよ。」
「あぁ…うん、わかった…」
俺は一体何が分かったと言うのだろうか。会話の内容に頭がついていけそうにない。
名札に書いてある寧音という漢字はねおんと読むらしい。これがニュージェネレーションという奴なんだろうか。何だか頭が痛くなってくる。